新人看護師が直面する問題の一つとして、朝の情報収集が挙げられると思います。
これがうまく行かないと、朝の前残業の時間がいくらあっても足りません。
今回は効率的に情報収集する方法について解説します。
前もって準備しておくこと
ルーティンで収集する情報を決める
まずはすべての患者さんに当てはまる必ず必要な情報を書き出しましょう。
以下に私が新人の時に最低限収集していた情報についてまとめます。
必要な情報の例
- 患者氏名、年齢、性別
- 主疾患名
- 重要な既往歴
- 現在行われている治療、今後予定されている治療
- 最近の経過のトピックス
- 留置物の種類と経過
- 点滴投与の有無
- 看護必要度(移動、排泄、保清、内服管理など)
- 抑制の有無
- 1日の予定(検査やリハビリ、手術など)

ここを多くしすぎると時間が足りなくなるので、自分の病棟で最低限必要な情報を考えて下さい。
疾患に応じた観察項目などを勉強する
自分の病棟に入院している患者さんの疾患については勉強していると思います。
その疾患を持つ人を受け持った時に何に注意するのか、観察項目は何かなど、最低限必要な知識は頭に入れておきましょう。
例えば既往歴にDM(糖尿病)がある場合、
既往に認知症がある場合、
など、自分の病棟の主疾患についてはまとめておきましょう。

これも患者さんとの日々の関わりの中で身についていくと思います。
ワークシートの活用方法や略語を考える
受け持ち業務をする場合、基本的にはワークシートを準備して、それに収集した情報を書き足していくと思います。
書き込めるスペースは限られているので、どこに何を書くのかは大まかに決めておくと情報が整理されます。
また、よく使う用語は略語を決めておくと短時間で簡潔に情報を書き加えることができます。
例えば、
- 保清
- 清拭 →BB(ベッドバス)
- シャワー浴 →SW
- 洗髪 →SP(シャンプー)
- 陰部洗浄 →PC
- 点滴
- セファゾリン →CEZ
- レボフロキサシン →LVFX
- バンコマイシン →VCM
- 看護援助
- 車椅子介助 →W/C
- 体重測定 →BW
- 膀胱留置カテーテル →尿Ba
これは一例に過ぎないので、自分がよく使う用語が固まってきたら覚えやすいものを考えて決めると良いと思います。
順番を決めて情報収集する
前準備が整ったら、情報の取り方について解説します。
最低限必要な情報を順に書き入れる
最初に決めたルーティンで取る情報を順番を決めて収集していきます。
患者基本情報と業務情報に分けて書く
便宜上、既往歴や治療経過など患者さん自身に関する情報を「患者基本情報」、点滴や看護ケアなど業務に関する情報を「業務情報」と呼んでいきます。
- 患者基本情報をワークシートの枠外や端の方にまとめる
- 主疾患、既往歴、簡単な治療経過(手術や点滴管理など)、最近のトピックス、抑制の有無を簡単に書き入れます。
- 業務情報はタイムライン上に書き入れる
- 点滴や内服投与、留置物、保清など、治療やケアに関する情報を書き入れます。
- これは時間で行う業務のことが多いので、大体の時間の枠に書き入れます。
これは一例ですが、下記の患者さんの情報をワークシートにまとめてみます。
- 田中太郎さん
- 蜂窩織炎治療中で既往に認知症あり、4/2に点滴自己抜去歴し両手ミトン使用中
- 4/1~抗生剤点滴加療中で4/2に体温38.9度まで上昇したがその後37度台で経過し、最終体温37.2度
- 床上安静で排泄は膀胱留置カテーテルとオムツ
- バイタルサイン3検(9時14時20時)
- セファゾリンを9時21時で投与
- 本日の保清は清拭と陰部洗浄
- 内服与薬介助要し、口腔ケア介助必要
- 膀胱留置カテーテル(5時15時23時に締め)
- 佐藤花子さん
- 水疱性類天疱瘡にてプレドニン内服+ステロイド軟膏治療中
- 既往に糖尿病あり血糖3検+インスリン管理中
- 車椅子介助
- バイタルサインは1検
- 本日の保清はシャワー浴介助で、その後にデルモベート軟膏塗布
- 血糖測定3検指示あり
- インスリン投与、食後薬配布必要
- 車椅子にてトイレ介助
という設定の患者さんの情報を簡単にまとめてみました。

安静度は余白に書ききれなかったため、18時の枠に入っていますが、基本的には患者基本情報と業務情報を分けて書き入れています。
業務情報については、自分の勤務帯で実施する業務に絞って時間枠に書き入れます。
もちろんこれだけで全ての情報が把握できているわけではありませんが、最低限この情報があれば業務を始めることはできると思います。

慣れるまでは、収集する情報の一覧のメモを作ってバインダーなどに貼って、それを確認しながら順に情報収集すると短時間で抜けなくできるようになります。

申し送りをする場合も、ある程度順番を決めて申し送るとまとまりが良くなります。
注意点や観察事項を考える
情報収集が終わったら、その患者さんにどのように関わるかを考えます。
例えば、
- 田中太郎さん
- 発熱が続いているので定期的に体温測定し熱型を把握する
- 点滴と膀胱留置カテーテルが留置されているので、閉塞や自己抜去などのトラブルが起きないようにラインの整理や感染兆候を観察する
- 既往に認知症があるため入院による環境の変化によって症状が悪化していないか注意し、日中は覚醒を促し夜間の状況について確認する
- 佐藤花子さん
- ステロイドの副作用によって睡眠状況や精神状態に変化、血糖コントロールの悪化等がないか確認する
- 車椅子介助のためシャワー浴介助の際に転倒転落に注意する
などなど、観察事項や関わる上での注意点などが挙げられます。

最初から完璧にしようとしなくて大丈夫です。日々の受け持ち患者さんとの関わりの中で学んでいきましょう。
先輩にフィードバックをもらう
患者さんの状態は一人一人違い、経過もそれぞれ違います。
初めのうちは何が必要な情報なのかを判断できないので、自分が収集した情報と先輩の収集した情報の違いを確認しましょう。
さまざまなパターンを経験するうちに何が重要なのかが見えてくるはずです。
まとめ
病棟で働く上では必要不可欠な情報収集。
私も最初は業務開始の1時間以上前に出勤し、必死になって情報収集していました。
効率的に必要な情報を収集するためには試行錯誤が必要になりますが、先輩がどのような情報をどのように取っているのかを参考にしながら自分のやり方を見つけてみてください!